そこで、『今日から始める養生訓』現代人にこそ貝原益軒の教え(著者・帯津良一)の新書の
まえがきから引用します。
養生というのは、文字通リ、生命を正しく養うことです。タバコや酒をやめるとか、ジョギング
をするとか、玄米を食べるとか、そんな安っぽいものではありません。生命というのは、躍動する
ことでエネルギーが高まっていきます。生命を躍動させるには、心がときめかないといけません。
タバコ一本、ビール一杯にときめけば、それは立派な養生です。
そして、大事なことは、いくつになっても、高い志をもって生きることです。明日死ぬとわかって
いても志はなくしてはいけません。私は、死ぬときが一番最高のエネルギーになるように生き、
そのエネルギーで一気に死後の世界に突入しようと言っています。その気持ちが、養生の
根底にはなければなりません。
いつから、養生が、健康法と同じように思われるようになってしまったのでしょう。生命を扱う
べき養生が、健康とか長寿という狭い枠で語られるようになって、人間の質も縮こまってしまった
ようにも思えます。
本物の養生が語られ実践されていたのは、私は江戸時代ではないかと思っています。戦乱の
ない太平の世の中で、人々はのびのびと生きていました。自分の内面を見つめ、人の生き方
にも敬意を表する余裕があったのでしょう。そういう中で養生の達人が登場します。
私は、『養生訓』の貝原益軒、臨済宗の名僧である白隠禅師、『言志四録』の佐藤一斎を
養生の三巨人と呼んでいます。本書では、彼らを軸に、本物の養生とは何かを紹介できればと
思っています。 と、あります。
映画でいうところの予告編の紹介です。今一度、じっくりと読書されることを重ねてお薦め
いたします。 72歳、高齢者・障がい者後見人のブログです。