2016年04月10日
「死後事務の委任契約」って何(なに)? 事例・Mさんの場合②
卒業されたかってのエリート・彦根高商の学生時代は「どんなだったですか?」と
お尋ねすると、少しお顔に赤みが射し、回想するように「夏は琵琶湖で遠泳、冬は
伊吹山でスキー!」と強い口調でおっしゃったのがとても印象的でした。
また、或る時、思い切ってお尋ねしたのです。
「Mさん、いま一度行きたいところはありませんか?」と。しばらく考えて「彦根城」
と答えられました。旧制の高校がその城内にあるとのことでした。
そこで、ホームの責任者と相談し、車椅子ながらヘルパーさんの同行と介護タクシー
で出かけたこともありました。
そのMさん(当時、95歳)が12月の中頃、緊急に入院されたとの連絡が入り(いま
までも入・退院は何度かあったのですが)、病院におもむいたところ、担当の医師から
「いつ、何があってもおかしくない状況です」「Mさんの延命治療はどうしますか?」と
切り出されたのです。
その医師は事前に遠方にいるMさんのご子息に電話を入れたところ「しばらく会って
いないので親父の考えが解からない。黒田さんがよく父に会ってくれているので
まかせる」とのこと。それで、私が呼ばれたのです。
ご子息は、60歳前後で当時も現役でお勤めだったこともあり、決して、父親の延命
治療の判断から逃げていたとは思いませんが、実際に親族に問われても判断が
つかず医者のいいなりになってしまうケースが多いのではないでしょうか?
続く 73歳、高齢者・障がい者後見人のブログです。
Posted by 黑田よしひろ at 10:06
│事例