2016年02月29日
お坊さんが書く「心の養生」 ③
同じく玄侑宗久さんの『養生事始ヨウジョウコトハジメ』に、「丹田呼吸」についての記述が
ありますのでここに記します。
丹田タンデンというのは、臍ヘソ下三寸あたりと云われる。吸った息がそんなところまで
いくはずはないだろうと思うかもしれないが、意識をそのあたりへ動かせば、氣血も
そこへ運ばれる。東洋で云う呼吸とは、吸った空気の移動ではなく、すでに血液中に
はいった酸素の移動と思ったほうが妥当かもしれない。
いわゆる内呼吸である。実際に吸い込みながら丹田に意識をもっていくと、その
あたりがぽうっと温まる氣がする。いや、本当に温まるのだから不思議である。
「呼吸をととのへ、しづかにすれば、息やうやう微也」という。やはり益軒先生も、
「微カスか」な息を讃美する。しばらくそのように呼吸していると、次第に「鼻中に
まったく氣息なきが如」くなり、「只タダ臍の上より氣息往来することを覚」えるように
なる。つまり、腹から息が直接出入りしているような感覚である。
これによって「神氣定まる」というが、いわば「肚ハラがすわる」ということだろうか。
神とは、外から入った氣を体内で精錬したもの。
中国古文献では「こころ」と読ませたりするが、ある種の澄みきった精神作用と
考えていいだろう。 続く
『養生事始ヨウジョウコトハジメ』 著者・玄侑宗久/発行・清流出版より
72歳、高齢者・障がい者後見人のブログです。
Posted by 黑田よしひろ at 09:31
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