2021年01月25日
『攻めの養生(ようじょう)とは?』 その7.
◇「養生のすすめ」の要素の一つに「温故知新」で知る智慧が大事と言いました。
わが国には、こんなにも素晴らしく、いま時にも通じる内容の「古典」が存在する
のです。300年前の江戸時代、貝原益軒という儒学者が84歳のときに出版された
『養生訓』からひも解いておきましょう。
なぜ養生をしなくてはならないのか、ということについて益軒は、巻頭で、こん
なことを言っています。「人のからだは天地と父母の恵みであって、自分だけの
ものではない。だから大切に扱い、天寿をまっとうするよう心がけなければなら
ない。それが父母への孝の基本である。」 自分を生み、育ててくれた親と自然
への感謝の心を持ち、日頃から養生を心がけてからだを大切にし、天寿をまっと
うすることが人間としての正しい生き方である、という考えがここにはあります。
それが『養生訓』の根本的な思想・哲学であり、すべての人にあてはまること
だと語っています。 このように、「養生」をただからだをいたわって壊さないよう
にしようということではなく、感謝の心をもち、生命を日々高めていこうという志を
持つことと言っているのです。
『養生訓』は、単なる健康法ではなく、一段上の「修身・道徳」であり、「養生
への道・養生道」の先駆けともいえる書物なのです。
77歳、高齢者・障がい者後見人のブログです
Posted by 黑田よしひろ at 10:36
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